この度、バルカン半島の国々である北マケドニア・ブルガリアにて、現地大使館の招聘を受けて雅楽のコンサート・ワークショップを3都市5回にわたり行なってまいりました。
今回は、10月10日に北マケドニアのスコピエ大学で行われたレクチャー・コンサートと、その晩にマケドニア国立美術館で行われたコンサートについてのご報告です。
北マケドニアの首都スコピエのちょうど中央に位置するスコピエ大学。
Darija Andovska学長のスピーチから始まり、前半は古典の演奏と、レクチャーでは雅楽の成り立ちから楽器についてのご紹介、そして装束体験。100名程集まった学生や大学関係者の方々と共に、雅楽の唱歌をうたいました。後半は、宮中御神楽の儀、最後の演目である「其駒 人長舞」から始まり、民族音楽部の学生とのコラボレーション。両国の代表曲を共に奏でました。特に、北マケドニアで最も有名な「Makedonsko devojče(マケドニアの乙女」は会場と一体となり大変盛り上がりました。
その晩、同じくスコピエの中心地に位置するマケドニア国立美術館にてコンサートが開かれました。こちらは15世紀オスマントルコ時代に建てられたハマムが改装された歴史を感じられるドーム型の建物で、独特の雰囲気の中行われました。建物の構造上、音の響きが素晴らしく、まるで会場全体を包み込むような響きの体験となりました。
在北マケドニア日本大使館の大塚大使のスピーチから始まり、約800年前の琵琶譜から復元され、後白河法皇が重視していた今様(平安時代の流行歌)の秘曲を京都市立大学の根本先生が復元した3曲のうち「関神」の歌唱、雅楽古典の演奏、其駒 人長舞、そして両国の代表的な楽曲メドレーを演奏しました。
コンサートの後は、美術館の庭園にて大使館主催のレセプションが主催され、参加者は演奏の余韻の元、雅楽や日本文化についての会話や交流を楽しみました。
・日程:2024年10月10日
・開場:北マケドニア、マケドニア国立美術館、スコピエ大学
・出演者:三浦元則(篳篥)、中村香奈子(龍笛)、大塚惇平(笙・和琴)、宇佐見仁(舞)
・美術展示作品:鳥井美知子
・主催:一般社団法人ENSOPHIA(SILKROAD JAPANとして開催)
・協力:在北マケドニア日本大使館(日・北マケドニア外交関係樹立30周年記念事業)、スコピエ大学、北マケドニア文化・観光省
・助成・協賛:独立行政法人国際交流基金、一般社団法人東京倶楽部、株式会社井筒企画
・撮影:唐亨